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Gomez-Perez, J. M.*; 大柳 洸一*; 八尋 黎明*; Ramos, R.*; Hueso, L. E.*; 齊藤 英治; Casanova, F.*
Applied Physics Letters, 116(3), p.032401_1 - 032401_5, 2020/01
被引用回数:9 パーセンタイル:53.43(Physics, Applied)We probe the current-induced magnetic switching of insulating antiferromagnet-heavy-metal systems, by electrical spin Hall magnetoresistance measurements and direct imaging, identifying a reversal occurring by domain wall (DW) motion. We observe switching of more than one-third of the antiferromagnetic domains by the application of current pulses. Our data reveal two different magnetic switching mechanisms leading together to an efficient switching, namely, the spin-current induced effective magnetic anisotropy variation and the action of the spin torque on the DWs.
Walker, C.; 須藤 俊吉; 小田 治恵; 三原 守弘; 本田 明
Cement and Concrete Research, 79, p.1 - 30, 2016/01
被引用回数:69 パーセンタイル:90.65(Construction & Building Technology)セメント系材料の変質挙動を定量的に予測するためには、カルシウムシリケート水和物ゲル(C-S-H)の溶解挙動をモデル化することが重要である。本研究では、C-S-Hゲルの溶解データの実験値について、既往の文献値とCa/Si比0.20.83における新規データとを収集・抽出した。これらのデータを用いて、水溶液中における二組の二元系非理想固溶体(SSAS)とみなし、離散的なCa/Si比を有する固相(DSP)として設定したC-S-Hゲルの溶解モデルを構築した。本研究で構築したDSP型のC-S-Hゲルの溶解モデルの特長は、Ca/Si比2.70でのC-S-Hゲルの溶解データ(pH値、Ca濃度及びSi濃度)の再現性が良好であること、Ca/Si比1.65以上ではポルトランダイトを含むこと、Ca/Si比0.85での調和溶解を再現すること、Ca/Si比0.55以下でアモルファスシリカを含むことである。Ca/Si比0.55以下でアモルファスシリカを含むことは、本研究におけるIR分析によって確認された。
佐藤 真一郎; Beernink, K.*; 大島 武
Japanese Journal of Applied Physics, 54(6), p.061401_1 - 061401_6, 2015/06
被引用回数:5 パーセンタイル:22.94(Physics, Applied)薄膜安価な宇宙用太陽電池への応用が期待されているa-Si/a-SiGe/a-SiGe三接合太陽電池の放射線照射劣化機構について詳細に調べた。シリコンイオン, 電子線, 陽子線照射による電気特性劣化をその場電流・電圧測定システムを用いて調べたところ、照射直後から顕著な回復が生じること、またそれが放射線の種類や温度によらず発生することが分かった。これは実宇宙空間での劣化予測において重要な現象であり、短絡電流をパラメータとして用いることで、回復挙動の予測が可能であることを明らかにした。さらに、入射粒子のエネルギー損失過程(イオン化エネルギー損失(IEL)と非イオン化エネルギー損失(NIEL))と相対損傷因子を解析し、電子線照射劣化に対してはイオン化線量が、陽子線照射劣化に対してははじき出し損傷線量が支配的なパラメータになると結論付けた。これは、一般的にはNIELに起因する欠陥生成(損傷)はIELよりもはるかに大きいが、電子線の場合はIELに対するNIELの比が非常に小さく、NIELに起因する損傷が無視できるためである。一方、シリコンイオン照射による劣化は、放射線の線質効果の影響を考慮する必要があることが分かった。
杉本 雅樹
工業材料, 53(12), p.75 - 79, 2005/12
本稿は耐熱・耐蝕性に優れた炭化ケイ素(SiC)のマイクロチューブをケイ素高分子から合成する新技術について述べている。具体的には、ケイ素高分子を繊維化し電子線照射で表面のみ酸化して架橋させ、未架橋の繊維内部を溶媒で抽出することで中空構造を形成し、その後不活性ガス中で熱処理してセラミックに転換する手法についての解説である。SiCマイクロチューブの長さは約20cm程度で、その壁厚を電子線照射条件によりその壁厚を220mの範囲で制御可能である。1000Cを超える耐熱性と耐蝕性を有し、また、アモルファス構造を利用したガス選択分離性を付与可能であることから、比表面積の大きなマイクロチューブを用いた高効率フィルターや吸着材等への応用が期待できる。
安居院 あかね; 水牧 仁一朗*; 朝日 透*
放射光, 18(4), p.215 - 222, 2005/07
垂直磁化膜の磁気異方性エネルギーや保磁力などのマクロスコピックな報告が多くなされている一方で、それらの磁性膜の構成元素ごとの磁気特性に着目したミクロスコピックな測定から得られる物理量と、それらのマクロスコピックな物理量との相関について論じた研究の例は多くない。本稿では垂直磁化膜の磁気的性質を軟X線磁気円二色性分光法を用いて元素選択的・軌道選択的に測定し、ミクロスコピックな観点から人工格子薄膜の下地効果や、アモルファス合金膜で希土類元素が果たす役割などについて研究した例を紹介する。
知見 康弘; 石川 法人; 岩瀬 彰宏*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.792, p.379 - 384, 2004/00
ビスマスにおける高エネルギーイオン照射効果を、低温での電気抵抗率を測定することにより、その構造変化と関連付けて調べた。ビスマス薄膜(厚さ300-600に数種類の高エネルギー(100-200MeV)重イオンを10Kで照射し、そのときの試料の抵抗率を7Kでその場測定した。照射後、抵抗率のアニール挙動を35Kまで測定した。アニール中の抵抗率の温度依存性において20K付近で急激な上昇が見られており、これは照射誘起アモルファス領域の再結晶化を示唆している。アモルファスビスマスはまた、6K以下で超伝導転移を示すため、高エネルギー重イオン照射が引き起こす高密度電子励起により、超伝導アモルファスビスマスの柱状領域を通常のビスマス結晶中に誘起できる可能性がある。そこで今回、照射誘起アモルファス化による超伝導転移の検出を試みた。
米田 安宏; 水木 純一郎; 片山 良子*; 八木 健一郎*; 寺内 暉*; 濱崎 真一*; 高重 正明*
Applied Physics Letters, 83(2), p.275 - 277, 2003/07
被引用回数:18 パーセンタイル:57.36(Physics, Applied)チタン酸ビスマス(BiTiO)を急冷してアモルファス化すると、再結晶過程で、BiTiOとは異なる中間構造が出現する。この中間構造は二成分からなっており、一つはパイロクロア型のBiTiOで、もう一つはパイロクロア相の出現によって過剰となったビスマスの積層欠陥によって生じている、本来は安定な構造をとらないBiWO-likeな構造であることがわかった。
上殿 明良*; 谷川 庄一郎*; 大島 武; 伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; Frank, T.*; Pensl, G.*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*; et al.
Journal of Applied Physics, 87(9), p.4119 - 4125, 2000/05
被引用回数:12 パーセンタイル:49.32(Physics, Applied)陽電子(単色)消滅法を用いて110/cmの200keV-リン(P)注入した6H-SiCの注入層を調べた。注入は室温、800または1200で行った。室温注入では表層の注入層はアモルファス化、注入層の深部は複空孔がおもに残留していることがわかった。注入後、1700までの熱処理を行ったところ、空孔型の欠陥のアニール挙動が熱処理の温度領域によって五つに分けられた。また、800、1200注入では注入層はアモルファス化はしないが、表層に大きな空孔クラスター残留層、深部には表層に比べサイズの小さな空孔クラスターが残留することがわかった。これらの試料を1700まで熱処理すると、800注入試料の残留欠陥サイズが最も小さく、続いて1200注入試料、最も残留欠陥サイズが大きかったのが室温注入試料となり、注入後同じ温度での熱処理を行っても注入温度によって残留欠陥サイズが異なることがわかった。
橋本 大; 森本 巌; Zheng, X.; 前原 直; 中島 充夫*; 堀岡 一彦*; 河野 俊之*; 志甫 諒
JAERI-Research 2000-018, p.66 - 0, 2000/03
線形誘導加速器では、磁化率の関数として強磁性体コア材のB-H曲線を得ることが重要である。インダクションモジュールのコスト評価のために、薄片の強磁性体、ケイ素鋼板、ファインメットを含むアモルファスを10[T/s]までの磁化率において、高磁化率におけるコア損失の観点からファインメット材が最も優れていることの結論に達した。またコア材のエネルギー損失や熱伝導の評価からファインメットコアでは、1kHzまでの繰返し運転が可能である結論を得た。
角田 恒巳; 坂佐井 馨; 四竃 樹男*; 鳴井 実*; 佐川 勉
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1893 - 1896, 1998/00
被引用回数:20 パーセンタイル:81.49(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉計測などの強放射線場での利用を目的に、2種類のアルミ被覆光ファイバを試作し、JMTR炉内での照射試験により、欠陥形式と発光特性を調べた。照射欠陥による光の吸収は700nmより短波長側に集中するが、700nm~1500nmでは210n/mの高速中性子照射に対しても極めて少なかった。また発光特性については、400nm~1400nmの広範な波長領域において、チェレンコフ光(1/)、SiO構造に係わる発光ピーク(450nm,1270nm)を観測した。チェレンコフ光や1270nmの発光ピークは、光ファイバの吸収に対しても影響は少なく、これらの発光を放射線量や温度計測に利用出来ることが判った。
小泉 智
Journal of Chemical Physics, 107(2), p.603 - 612, 1997/07
被引用回数:4 パーセンタイル:16.6(Chemistry, Physical)液晶性高分子を構成する芳香環の回転運動を、水素に由来する中性子非干渉性散乱を観集することで解析した。この高分子は2元ランダム共集合体(p-benzoic acid/2hydroxy-6-naphtoic acid 73/27(mol/mol))で、285Cでアモルファス相からネマチック液晶相へと転移する。中性子散乱の非干渉成分を、(1)水素の振動運動によるデバイクーラー因子、(2)芳香環の回転運動による非弾性干渉性構造因子(EISF)、(3)同じく回転運動による準弾性散乱(QENS)の3成分に分離した。このようにして得られたEISFとQENSは、ネマチック相で、芳香環が分子軸まわりを自由回転するモデルで良好に再現された。また転移点以下のアモルファス相で、EISFとQENSの波数依存性が小さくなり、この変化は回転運動が自由なものからより拘束されたものへと移行したことを示唆する。
坂佐井 馨; 荒 克之; 伊藤 博邦; 岸本 牧; 片桐 政樹
Review of Scientific Instruments, 65(5), p.1657 - 1662, 1994/05
被引用回数:2 パーセンタイル:36.93(Instruments & Instrumentation)低温におけるCo-Fe-Si-B系アモルファス線の電気磁気特性を調べた。その電気抵抗は約30Kで最小となるが、この値は常温のものとほとんど変化せず、約2.7%減少したにすぎない。また、磁気特性として保持力(Hc)、飽和磁束密度(Bs)及び最大透磁率(m)を調べたが、4.4Kでは常温の値と比べて、Hcは25%、Bs及びmは15%の増加を示した。これらの結果をふまえ、77K以下の低温で動作するマルチバイブレータ型磁界センサを試作した。試作した磁界センサは、常温で+1(Oe)から-1(Oe)の磁界測定範囲で1(mV/mG)という大きな感度を有し、6Kという極低温下でもその変化は約0.5%であった。
坂佐井 馨; 荒 克之; 伊藤 博邦; 岸本 牧; 片桐 政樹; 松村 克巳*
MAG-93-9, p.71 - 76, 1993/01
Co-Fe-Si-B系アモルファス線の磁界センサへの適用性を調べるため、その常温から4.4Kまでの交流磁化特性を測定した。その結果、Co-Fe-Si-B系アモルファス線は、飽和磁束密度及び保磁力とも多少増大するものの、常温と同様、十分良好な特性を有していることがわかった。さらに、このアモルファス線を用いてフィードバック付きマルチバイブレータ型磁界センサを試作し、その低温下での動作性能を調べた。その結果、試作したセンサは常温から6Kまで、磁界範囲-1Oe~+1Oeで十分な感度及び出力直線性を有することがわかった。
白石 健介*; 坂本 宏*; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 31(8A), p.L1037 - L1040, 1992/08
被引用回数:5 パーセンタイル:32.82(Physics, Applied)結晶したBiPbSrCaCuOに、2.4810m・sの線束密度で、3MeVの電子線を2.010mまで室温で照射し、直流四端子法によって臨界電流密度を温度の関数として測定した。外部磁場をかけないと、1.010mまで照射すると、65K以下の臨界電流密度が上昇する。この電子線照射の効果は測定温度が低いほど顕著である。この照射試料に0.04Tの外部磁場をかけて臨界電流密度を測定すると、25K以下の温度で僅かに臨界電流密度は上昇するが、0.8Tあるいはそれ以上の磁場中での臨界電流密度は、照射前の値に比べて小さくなる。電子線の照射量が2.010mになると外部磁場の有無にかかわらず、比較的低温度で測定した臨界電流密度は低下する。これらの電子線照射効果は、照射欠陥による磁束線のピン止め点の導入と結晶粒界などの界面にアモルファス層が生成、成長する過程が競合して起こることによるものであると考えられる。
櫛田 浩平; 北條 喜一; 古野 茂実; 大津 仁
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.346 - 350, 1992/00
黒鉛およびその他の炭素系材料は核融合炉におけるプラズマ対向材料として最有望視されており、その基礎物性および電子・イオン等の衝撃による影響が広く研究されている。我々は現在までに主に結晶性黒鉛を試料として、そのイオン照射による影響を電子線エネルギー分光法(EELS)、透過電顕(TEM)、電子線回折法(EDM)、等によりその基礎過程を調べてきた。今回は、黒鉛と共に炭素の基本的結晶性同素体であるダイヤモンドを用いて、同様の手法により水素イオンの照射効果を調べた。その結果、室温での照射の場合、10kVHイオンのフルエンスが約310(H)/cm付近から非晶質化が起こることが分かった。これは黒鉛の場合の臨界フルエンスより高い値であり、結晶構造の違いの影響のためであると考えられる。
白石 健介; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 30(7B), p.L1260 - L1263, 1991/07
被引用回数:16 パーセンタイル:65.26(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットにCoからの線を1.5MR/hの線量率で約50MRまで照射し、電気抵抗率の温度変化を測定した。照射前に103.4Kであった臨界温度は20.25MRまで照射すると104.1Kまで上昇し、その後照射を続けると2.010K/MRの割合で低下する。これに対して、300Kの電気抵抗率は約2MRから20MRまでの照射領域では0.1・m/MRの割合で増加し、約20MRから37MRの範囲では殆んど変化しない。臨界温度の低下が認められる高照射領域では電気抵抗率は減少する。これらのことは、線照射によって格子原子の再配列が起こること、これによって臨界温度の低い(2212)相が電気抵抗率の大きい(2223)相に変換すること、照射によって界面にアモルファス膜が生じる一方で、界面の微細クラックが消滅すると考えることによって統一的に説明することができる。
永井 智*; 藤村 紀文*; 伊藤 太一郎*; 白石 健介
Japanese Journal of Applied Physics, 30(5A), p.L826 - L829, 1991/05
被引用回数:5 パーセンタイル:34.21(Physics, Applied)単結晶のMgO基板上に鉛を添加しないBi-Sr-Ca-Cu-Oのアモルファス薄膜をスパタ蒸着し、865C2時間の熱処理によって形成される高T相の体積分率をX線回折によって調べた。基板を加熱しないで蒸着したアモルファス膜をそのまま、熱処理すると、高T相は87%に達するが、熱処理中に薄膜は基板から剥離する。基板の温度を300Cにして蒸着した薄膜は熱処理中に剥離しないが、その熱処理によって得られる高T相の体積分率は43%に低下する。基板を300Cに加熱して蒸着したアモルファス膜に200keVのNeイオンを室温で110cm照射した後、結晶化の熱処理を行うと高T相の体積分率は69%まで向上する。基板の温度を300Cにして蒸着したアモルファス膜を800Cで1時間熱処理し、低T相を形成させた後、865Cで2時間の熱処理を行うと高T相はX線回折によって検出できなかった。
片野 進; 森井 幸生; 飯泉 仁; H.R.Child*; R.M.Nicklow*
Journal of the Physical Society of Japan, 56(9), p.3196 - 3200, 1987/00
被引用回数:3 パーセンタイル:36.66(Physics, Multidisciplinary)アモルファスFeBSi 合金の結晶化過程を新型の中性子回析装置を使って調べた。実験は、この合金においてまずFeSi相、次いでFeB相が結晶化することを明確に示した。
北條 喜一
真空, 27(7), p.589 - 595, 1984/00
薄膜材料の物性や化学特性を研究する際に問題になることは、測定物の膜厚がモニターとどのくらい違うかということである。この論文においては、従来より示されている(測定物を直接測定する方法)膜厚測定法を改良し、従来困難であるとされていた数nm以下の膜厚を正確に測定できることを示し、その膜の密度を膜厚をもとに計算する方法を示した。すなわち、測定すべき膜の両側にPt-Pd又はW金属を真空蒸着し、一方向に折り曲げ、その折り曲げられた所を透過型電子顕微鏡により観察する。次に、電顕像のコントラストの違いを利用して膜厚を測定する。この方法で、約3.5nmのボロン薄膜の厚さが測定できた。さらにこの方法を利用して、スパッタリング法によって作られたボロン膜の密度を求めることができた。(P=2.40g/cm)その結果、薄膜の密度は膜厚に依存しないことが示された。
奥村 雅彦
no journal, ,
機械学習分子動力学法は原子力分野でも注目を集めている、高精度かつ低計算コストを実現した原子スケールシミュレーション手法であるが、まだ誰でも使える手法ではない。そこで発表者らは現在、誰でも機械学習分子動力学法を実施可能な「統合分子動力学法システム」の開発を進めている。本発表では、システムの概要や開発の進捗状況、実際の使い方、そして、一般的にシミュレーションで扱うのが難しい物質への適用例として、極性分子のアモルファス状態であるアモルファス状態の氷についての機械学習分子動力学法シミュレーションの結果を示す。
奥村 雅彦
no journal, ,
近年、星間塵表面を構成するアモルファス状の氷の表面における化学反応により有機物が生成するという化学過程が注目を集めている。この現象について、実験研究に加えて、シミュレーション研究も有用であるが、星間塵表面のアモルファス状の氷の影響を評価したシミュレーション研究はまだない。そこで、本研究では、化学反応とアモルファス状の物質の両方を高精度でシミュレーション可能な機械学習分子動力学法を用いて、この化学過程のシミュレーションを目指す。本発表では、まず、機械学習分子動力学法による氷と水のシミュレーションの結果について技術的な側面も含めて報告し、今後の展望を述べる。